外来だより

外来だより 2022年 11月号

2022年11月01日

 秋も深まり、木々の葉も見事に色づく季節となりました。日々の体力回復のため、「食欲の秋」での食べ過ぎによるカロリーオーバー回復のためにも運動に適した季節です。新たに体を動かそうと思っても難しいですが、運動習慣が無くても、実はすでに行っている運動があります。それは「歩くこと=ウオーキング」です。ウオーキングをすると身体も心も元気になり、健康寿命が延びると言われています。生活習慣病の予防と改善、体力増強など肉体的な効果はもちろん、脳の活性化を促したり、リフレッシュ効果を発揮してストレス解消につながるためです。涼しくて過ごしやすい季節である秋こそウオーキングがお勧めです。今回は、ウオーキングがもたらす体への効果や、ウオーキングのポイントをご紹介していきたいと思います。

まず、ウオーキングの効果としては、以下のような事があげられます。

メタボリックシンドロームの予防があります。血液中の中性脂肪をエネルギーとして利用したり、血管や血液成分を改善する作用があるため、高血圧、糖尿病など生活習慣病の予防や改善に効果があります。そして、骨密度がアップし骨が強くなります。骨を作り出す細胞に適度な刺激を与えるため、丈夫な骨を維持のする効果があります。さらには運動能力が上がって元気に生活ができる。これにより、筋肉の低下や運動器の機能の衰えを防ぎます。

運動以外の効用として、快感情が刺激されます。つまり、自律神経のバランスが整い、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの濃度が上昇し爽快になる、気分が充実するなど幸福度感アップします。

将来に向けて、認知症の予防も期待されます。足の筋肉を動かすことで、脳へ流れる血液量も増え、脳に必要な酸素やブドウ糖が脳神経細胞に運ばれ、認知症の予防に効果があります。

実際にウオーキングを行う際のポイントとしては、姿勢を伸ばし、歩幅を大きくとり、歩くことで体幹部の大きな筋肉に刺激が与えられ、全身の血液が促進されます。

しかし、満腹時と極端な空腹時は避けましょう。少しくらい空腹の時が良いようです。なお、胃腸への負担をかけないように、食後1時間は空けましょう。少し空腹の時に息が少し上がる強度で20分程ウオーキングをすれば、血液中の中性脂肪がエネルギーとして使われ生活習慣病予防に効果的です。

息が少し上がる程度のスピードでウオーキングする時は、脱水にならないよう水分補給はこまめにし、汗をかいている時は10分~15分おきに水分補給をしましょう。

また、飽きないための工夫をしましょう。継続することで効果が得られます。コースを時々変えたり、通勤時を利用したり、家族や友人と一緒に歩いたりして継続できるようにしましょう。 身体と心の健康のために、いつまでも生き生きと生活が送れるように楽しくできる時間や場所を見つけて、是非行って見て下さい。