お知らせ
外来だより 2025年 1月号
2025年01月01日
明けましておめでとうございます。
昨年は新型コロナウイルスが蔓延し、高齢者を中心に感染者が増大しました。厚生労働省の発表では約3万2千人もの死者数に上っています。糖尿病、高血圧といった基礎疾患の有無もリスクにはなりますが、昨年の統計解析では、「65歳以上の感染がどんな基礎疾患よりもコロナ死亡との関係が強い」という結果です。統計的にはオッズ比で20.35倍です。さらに、60歳以上において、新型コロナはインフルエンザと同等ではありません。約15倍と格段に高い死亡率です。ただし、死亡リスクはコロナワクチンの接種回数が多いほど減少しています。高齢者は積極的にワクチンの接種を行っていただき、自分の命を守ってください。
また、新型コロナ罹患後、若年の健常者でも認知機能が低下するという報告があります。これは、高齢者だけが気をつければいいのではなく、若い方も感染には十分気を配るべきであるということを示唆しています。また、高齢者は新型コロナに罹患後、回復した時点で嚥下機能が罹患前の半分程度にしか回復しないという報告もあります。これは回復後の誤嚥性肺炎による死亡に関わりますので、治ったからといって決して油断をしないよう御願いします。
当院は外来のみならず入院施設も備えているため、院内感染やクラスター防止にむけ、面会制限や各種制限を昨年同様継続して行っています。また、外来には免疫不全の患者さんや免疫抑制を必要とする薬剤を使用している患者さん、感染には抵抗性の弱い高齢の患者さんも多くご来院なさっています。外来、入院患者の皆様にはご不便をおかけしますが、院内でのマスク着用を含め、なにとぞご理解ご協力のほどお願いいたします。眼科は高齢の患者さんが多い特性があります。子供の不顕性感染から高齢者の感染が連鎖します。若い方、特にお子さんをお連れの保護者の方には高齢者の患者さんに対する御配慮を重ねてお願いいたします。
近年日本人の食生活やスマートフォン、パソコンの使用などによる環境の変化に伴い、目の病気が明らかに増えつつあります。たとえば加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症など、食生活や私たちの環境の変化のよって引き起こされている目の病気です。また、緑内障も自覚症状が非常に乏しいため、当院でも手遅れになってから発見されるケースが多く見られました。日本眼科医会は目の健康寿命をのばすため、「アイフレイル」という概念が提唱しました。眼科領域でも積極的に取り組んでいく体制が整いつつあります。
こういった「アイフレイル」に対し、さらなる啓発を続けてゆきたいと思います。人生を有意義に過ごすために、視力を残存することは非常に大切です。安心して皆様が受診でき、適切な時期に適切な治療が受けられるよう職員一同誠心誠意尽くしてゆきたいと思います。
本年も満足度の高い患者さん中心の眼科医療を目指して日々精進して参ります。何卒よろしくお願いいたします。