外来だより
外来だより 2019年 7月号
2019年07月01日
最近は、「学校の検査で見えにくかった。」と親子連れで来院される方が増えてきました。学校検診後の受診です。皆さんは見えにくい時に、まず眼科受診をしていますか? 3歳児検診、就学時前検診、学校検診、会社の検診、運転免許の切り替えなど視力低下に気が付くチャンスは様々です。
小さなお子さんは弱視を早期発見することを目的にしています。赤ちゃんは目の前の手の動きが解る程度の視力です。それからだんだんと身体が発育していくと同時に目も発達していき、3歳くらいで1.0見えるようになります。しかし、片目または両目の視覚情報が伝わる経路のどこかに支障があると、刺激を上手く受けることができずに視力の発達が不十分になってしまい、眼鏡をかけてもよく見えない状態を弱視と言います。その場合は視力の発達を促す訓練が必要になります。
大人であれば見えにくい原因は眼精疲労や白内障だけではありません。失明原因の第一位は緑内障、第二位が糖尿病網膜症です。そのように自覚症状がでるまでに時間がかかり、進行性の病気もありますので眼鏡を作る前にはまず眼科受診がお勧めです。
そして40歳前後にさしかかると老眼鏡が必要になってきます。今はオシャレにシニアグラスやリーディンググラスというように変わってきましたが、疲れたらピントが合いにくく、手元がぼやけるなどの自覚症状があればまさしく老眼です。中には、眼鏡は嫌だと考える方もいらっしゃいますが、人間の情報の約80%は目から入ってくるといわれています。眼鏡は見るための道具の一つです。学校の黒板が見えにくい、新聞が見えにくいなどありましたら無理せずに適切な時期に適切な眼鏡をかけましょう。その際には眼科受診をお忘れなく。
(H.Y)