外来だより
外来だより 2020年 4月号
2020年04月01日
4月に入り、暖かさもぐっと増し、いつしか桜の季節も過ぎようとしています。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
今月から受動喫煙をなくすための対策が義務化されマナーからルールへと変わります。原則、「屋内禁煙」となり、病院、学校、行政機関などでは原則「敷地内禁煙」で屋内は完全禁煙となりました。すべての事業所に対応義務があり、違反した場合、罰則が適用される事もあるそうです。
タバコに含まれる有害物質や発がん物質は、自分の健康を奪うだけでなく家族や友人、職場の同僚など大切な方の健康も奪います。タバコの煙には、タバコを吸う人が直接吸い込む「主流煙」と、火のついた先から立ち上る「副流煙」に分かれます。副流煙には主流煙と同じく体に有害な成分が含まれていて、成分量がニコチンは2倍、タールは3倍、一酸化炭素は5倍近く、主流煙よりも多いといわれています。この副流煙を、自分の意思とは関係なく吸いこんでしまうことを「受動喫煙」といいますが、受動喫煙にさらされると、がんや脳卒中、心筋梗塞などの虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患などのさまざまな病気のリスクが高くなり、さらには妊婦や赤ちゃんにも影響を及ぼす事がわかっています。家庭と職場が受動喫煙の場になっていることが多く、喫煙者と同居する非喫煙者の死亡率は有意に上昇することも知られています。また分煙をしたり、空気清浄機があっても受動喫煙は防ぐことは不可能です。まずは、ルールを守り、周りにいる方の健康までも脅かすことがないようそれぞれが気をつけていきましょう。当院においても今年から喫煙所を撤去しました。入院及び外来診察で来院された際、院内での喫煙は出来ませんのでご協力の程よろしくお願いします。
さて、全国で感染者が日々増える中、大分県でも3月に初の感染者が確認され、不安な日々を送られている事と思います。
マスク、消毒液などの不足状態が続く中、トイレットペーパーなどの紙製品が無くなるというデマな情報や根拠不明のウィルス撃退法が拡散し、社会全体が異様な雰囲気になってきています。様々な事業、イベントなども自粛や中止となり不要不急の外出を控えるようになりました。それに伴い死活問題と業績の落ち込む企業も増え日本はもちろん世界の経済全体が低迷、オリンピックの開催までもが危ぶまれています。子供達はもちろん皆様も日々の生活にストレスを感じている事でしょう。早く新型コロナウィルスが終息し、以前の生活が元にもどることを祈るばかりです。